パワポに直接挿入可能な3D分子モデルを作る

こういうのを作ります。


この3Dモデルはパワポ内で任意に動かしたりアニメーション機能を利用することが可能です。(デフォルトで入っているティラノサウルスの3Dモデルが有名ですね)

大まかな流れとしては
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1. molファイルを作成
2. Avogadroでwrlファイルを出力
3. Blenderでマテリアルを設定しfbxファイルを出力
4. パワポに挿入
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となります。以下、具体的に流れを説明します。


1.molファイル作成
適当に作ってください。
今回はchemsketchでtolueneを作りました。

2. Avogadroでwrlファイルを出力
作成したmolファイルをAvogadroで開きます。
StickBall & Stick など、お好みの描画方法を選択してください。
今回はStickを選択しました。
(また、必要であればこのとき3次元構造を最適化してください)


File > Export > VRMLを選択し、wrlファイルを出力してください。
このとき3Dモデルの大きさを Scale欄で調整可能です。




3. Blenderでマテリアルを設定しfbxファイルを出力

先ほど出力したwrlファイルをblenderにインポートします。
ファイル > インポート > X3D Extensible 3D(.x3d/.wrl)
このとき、マテリアルは未設定なので灰色のモデルが表示されます。




(2022/5/15追記)以下のマテリアル設定の操作を簡略化するスクリプトを作ってみました。→ https://sanasnote.blogspot.com/2022/05/blender.html

適当なオブジェクトを選択し、マテリアルタブをクリックしてマテリアルを作成・設定します。



まずひとつのオブジェクトに対してマテリアルを作成・設定します。ここでは炭素原子です。プリンシブルBSDF以外を選ぶとパワポ上でマテリアルが反映されない場合があるので注意してください。(わたしはここで行き詰まって数日を溶かしました)

次に、同一のマテリアルを適用するオブジェクトをすべて選択します。
このとき、既にマテリアルの設定してあるオブジェクトを最後に選択してください。
続いて Ctrl+L > マテリアル とすることで選択したすべてのオブジェクトにマテリアルを設定できます。



なお、複雑な分子の場合にはAvogadroの View > Properties > Atom Properties から原子とオブジェクト番号の対応を確認することもできます。(ただし番号が1つずれていることに留意してください)


あとは水素原子も同様にマテリアルを設定します。


最後に、ファイル > エクスポート > FBX(.fbx) を選択して3Dモデルを出力します。


4. パワポに挿入

出力したfbxファイルはパワポに Drug & Drop するだけで挿入可能です。
編集画面上で動かしたり、アニメーションを設定することができます。


Avogadroでは Gaussian や Gamess の 計算結果から分子軌道を出力することもできるので、同じようにblenderでマテリアルを設定してやることでパワポに挿入できます。




この記事の内容は以上です。



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